2016年08月15日

よく聞く人間の五段階の欲求って今時はどうなってるの?

知っている方も多いと思いますが、マズローの「人間の欲求の五段階説」の中に
自己実現というものがあります。

一番下にあるのが生存欲求、生理的欲求です。
マズロー20160815.jpg
今日この瞬間を生き延びたいという欲求です。
今日生き延びられることが明らかになると、安全欲求が生まれます。
食べ物があり、飲み物があることがわかると、次に安全にその状態を継続させたい
という欲求が生まれるのです。

そこで誰かに盗まれたり自然災害によって被害を被ったりしないように、
家をつくったり、備蓄したり、物流システムを備えたりします。

これら生存欲求と安全欲求の二つの段階は、「物」によって満たされる欲求です。

そして、その上の三段階が、「心」の部分の欲求です。

安全欲求の上に、愛と所属、もしくは仲間欲求があります。
自分が生き延びられること、安全であることが満たされたら、
人は次に仲間を求め始めるのです。

ここでの愛とは、自分を受け入れてくれる家族やコミュニティーの存在です。

家族や仲間、コミュニティーなどのグループを得ると、今度は、その中で
かけがえのない存在でありたい、その中で認められる存在でありたいという欲求を抱きます。

No1でなくてもいい、サボーターでも、参謀でもいい。ただしアウトローや反逆者ではなく、
グループの中で価値ある存在になりたい、省かれたくないという欲求です。

価値ある存在として認められるようになると、次に自分自身の生きる目的などが
社会にとって有益にもなってほしい、そうなれば心からうれしい、という欲求が生まれます。
これが自己実現の欲求です。

この欲求が満たされると、人は社会からの応媛を受けながら、
調和の中で生きたいように生きることができます。

自己実現とは、自分だけが望みを達することを言うのではありません。
その人が結果を出すことを周りが応援し、その人がその人らしく生きることを
周りが望み、その人がそのように生きることが周りの人の力づけになって多くの人が
喜んでくれる、そういう生き方のことです。

マズローは、人が基本的な欲求から満たしていき、最後の自己実現の段階までくると、
時折、本当に幸せで今死んでもかまわない、といえるほどの至高体験をすることもある、と言います。

ですが・・・
 
昨今の日本の社会は段階が逆転しているようにも感じます。

  それは

マズローは人の欲求をこのように五段階に区分しましたが、
ここで日本社会のことを考えてみると、奇妙な逆転があることに気づきます。

日本では、一番目の生存欲求と二番目の安全欲求は、ほぼ満たされているといっていいでしょう。
問題は三番目以降の、心の欲求です。

例えば私が師と仰いでいる岸コーチが度々口にする今の受験というシステム。

「あなたが定められた基準において評価されるような点数をとれば認めてあげよう。そして学校に入れてあげよう。」です。

愛と所属、そして仲間を求める欲求が満たされた後に、価値ある存在として認められたいという欲求が生まれるマズローの段階とはあべこべです。
 
他にもありがちな会社の人事では
「君が結果を出したら、左遷せずにこの部署に残してあげよう。」これも同じです。

この場合、人は愛や仲間を求める欲求が満たされないまま、次の段階に進むことになります。
そして次の段階で、満たされていない欲求を満たそうとするのです。

これを欠乏欲求といいます。

欠乏欲求をもった人は、愛されない代わりに、評価されることで注目を浴びようとします。

お金で、地位で注目を浴びようとします。しかしそうした人は、地位やお金を得て、
注目を浴びれば浴びるほど孤独になっていきます。

お金や地位に集まってくる人はいても、”愛”してくれる人はいないからです。

頭ではそのことがわかっているのですが、地位やお金を失えばもっと孤独になっていくことも
理解しているから、それが怖くてさらにお金や地位を得ようとします。

この欠乏欲求は、果てしなく続きます。

この話とコーチングとはどんな関係があるのだろう?と疑問を感じた人がいるかもしれません。

実は、こうした自己実現をむずかしくする逆転現象を補うのがコーチングであり、
コーチングのパートナーシップです。
日々運営している整骨院経営もご縁がある患者様やそのご家族も潜在的にコーチングが必要と感じています。

人はコーチングのパートナーシップを得て、つまり自分を認め、
価値ある存在として承認してくれる人を得て、より自分を高めていくことができるのです。

安心・安全の関係を築くことで欲求が満たされるということです。
オリンピックの各国のチームもそうした欲求が満たされ結果につながるのではと感じています。
posted by スティンガー at 17:24| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | 更新情報をチェックする

2016年08月02日

コミュニケーション能力は「ある」「ない」では語れない。

施術のためにご来院される方との会話で、職場の同僚やママ友との関わり方に
不安を感じると言う方がいます。

そして自分にはコミュニケーション能力が「ない」としているようですが、
本当に「ない」のでしょうか?

コミュニケーション能力は、「ある」か「ない」かで語られますが、
ちょっと違うように感じます。

「ある」か「ない」かという観点を「出す」か「出さない」かで見てみましょう。

コミュニケーション力は、誰でも生まれたときから備わっています。
人との関係性を築くためや、必要な情報を得るために、何らかのコミュニケーシ ョンを
自然にとっています。

それが納得いくものかどうかは別にして、コミュニヶーション能力は養われて
洗練されていくということです。

そして、使えば使うほど上達します。

漢字で「人間」とありますが、人(ひと)と間(あいだ)と分解してみると
人間関係とは人と人との間(ま)が大切なのかもしれません。

世間とか瞬間とか間(ま)に生きているように感じます。

そこで間(ま)をとりもってくれる最低限のコミュニケーションとして

「おはようございます」「こんにちは」「どうもありがとう」「助かりました」
「ありがとう」「よかったね」「おめでとうございます」 「ご苦労さま」
「お疲れさま」「申し訳ございません」「失礼しました」などがあります。

この最低限のコミュニケーションは、「ある」か「ない」かではなく、
出すか出さないかなので、特別な出す工夫はいりません。

必要なときに、言うべきことは必ずいうようにすれば、簡単にできるはずです。

簡単な挨拶からでも自分から持ち出してみましょう。
posted by スティンガー at 01:49| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | 更新情報をチェックする

2016年07月27日

あなたは人の話を聞いていますか?それとも聴いていますか?

スタッフや仕事の勉強会などで、コーチングを伝える際に最初にすることは、
話しを聴くトレーニングをしています。

これは聴くことが、いかに人を安心させ、癒し、気持ちをリラックスさせるかを
体験してほしいからです。

「聴く」ことが得意になると、これまで見えなかった観点や人の行動心理が
より分かるようになってきます。 組織の中では、トラブルを未然に防いだり
共同作業の効率化や報・連・相(報告・連絡・相談)がスムーズに機能します。

「聞く」ではなく「聴く」なのには、理由があります。
「聴く」という漢字と「聞く」という 漢字では、実際の意味も違います。

聞くという字は、もんがまえに耳、家の中に入って聞くということです。
聴くは「十の目と 心で耳を傾ける」という意味です。

聞く=英語のhear(聞こえる)音がただ耳に流れてくる状態で、
聴く=listen (意識して聴く)もしくはattend(注意して聴く)集中して聴いている 状態です。

ただ、コツをしっかりつかむまでは、知識も得て、コーチングするぞと張り切っていても、
最初のころは、まったく人の話しを聴けていないことが多くあります。
しっかり聴いていた「つもり」が、聞いていただけだったことに気付くこともあります。

私の場合は 「相手は何を言いたいのかな?」「本当はどう思っているのかな?」
「きっとこの人は、こんなふうに考えているはず。」 などと考えながら
「聞いて」いたことに気がつきました。

これでは、ただそのまま「聴いてる」ことにはならなかったのです。

初めて、補助輪を外した自転車に乗れた時と同じように、失敗を繰り返しながらも
トレーニンクを積んで、「ただそのまま聴く」ことができるようになってくると、
相手の 話しだけに集中することができるようになり、いつしか不思議なことに
相手との会話も 弾むようになっていたり、沈黙がつづいても余計なせん索をせず、
場を楽しめるようになってきます。

気がつけば、自然とコミュニケーションが、 楽しめるようになってきます。
考えながら聞いているということは相手とではなく自分の内面と、閉じた
コミュニケ ーションをとっていることになります。

相手は、あなたが聴いていないことを敏感に祭知して、話すことが苦痛になってきます。

そして、だんだん口は重くなり、探られているよ うな気がして、どんどん理解を
されていないと感じることになってしまいます。

常に聴くようにしていると、疲れてしまうというイメージがあるかもしれませんが、
これは違います。

相手のいっていることに、解釈をつけてしまったり、思い込みで判断して
先まわりをすることのほうが、はるかに自分自身を疲れさせているのです。

なによりもまずは、相手の話しを聴くことが大切です。
聴くカがつくと、相手もあなたも、楽しい時間をいっしょに過ごすという、
人間関係が築けるようになって気持ちも軽やかになることが感じられると思います。
posted by スティンガー at 01:56| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | 更新情報をチェックする